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マネジメントインタビュー 2011年 (分割版) | アニュアルレポート | KDDI株式会社 kddi ar2011 j05

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(1)

田中新社長に聞く

復活と飛躍に向けた

ロードマップ

KDDi はどのように基盤事業の立て直しを図り、そしてその先に描く企業像に向けて

どのようなアクションを起こしていくのか。

足元の戦略と、中期的な事業方向性に込められた思いを田中新社長に聞きました。

KDDI株式会社 代表取締役社長

た な か中 孝た か し

(2)

KDDi の課題と今後の方針

Q&a

Q1 社長就任時に、現状の KDDi にどのよう

な課題があると認識し、またその課題

に対してどのような取り組みを進めて

きましたか?

「全社員と危機感を共有し、 KDDi を再び成長軌道

に乗せていくことが課題であり、私の使命でもあり

ます。」

 2000年10月、DDI、KDD、IDOの3社合併により発足した KDDIは、2兆2千億円もの有利子負債を抱えていました。当 時は社員全員が危機感を共有し、必死に努力を重ねることに より、2005年度には有利子負債を1兆円以下にまで削減する ことができました。また、第3世代携帯電話の販売も好調に推 移し、データ定額制や着うた®といったさまざまなサービスを、 他社に先駆けて打ち出すなど、KDDIは光り輝いていました。  しかし営業収益がピークを打った2007年度を境に、 KDDIは徐々に輝きを失っていきます。特に近年は、移動通 信事業において大変苦戦を強いられてきました。MNPによ る他社への流出は続き、データARPUの伸びでも他社の後 塵を拝しています。固定通信事業においても、3社合併をは じめとした複数の合併などの結果、ネットワークが重複化し たことから、ネットワークの統合・スリム化を進めています が、そのスピードは十分ではありません。

 私は、当社を「戦うKDDI」に変え、再び成長軌道に乗せて いくことを使命と考え、社長に就任しました。そしてまず、全社 員が危機感を共有し、同じベクトルを向くよう、強いメッセー ジを発信しました。その上で、もう一度KDDIの輝きを取り戻 すための中期的事業方向性を明確に示しました。2011年度 は既存事業の立て直しを行い、戦える状態にまで引き上げる とともに、中期的な成長戦略の本格展開を予定する2012年 度に向けた準備を進めていくための期間と位置づけました。

Q2 割賦制度の導入やスマートフォンの投

入などにおいて、比較的保守的だった

KDDi が、スマートフォンへのシフトやテ

ザリングの解禁など、積極施策に転じた

背景にはどのような考えがありますか?

「業界 2 位は攻めるべき立場であることは明らかです。」

 当社は移動通信業界において累計契約数で2位というポジ ションに位置していますが、1位と3位に挟まれている2位とい う位置は、攻めなければ落ちていくポジションです。特に近年 のようにモメンタムが低下する中では、全力で攻勢をかけなけ ればプレゼンスの低下は避けられません。私は自社の課題と 強みを徹底的に分析した上で、戦略を練りました。

2011年度の位置づけ 2011年度定量計画

2010年度 2011年度

1. 基盤事業の立て直し 移動通信事業:auのモメンタム回復 固定通信事業:増収増益の確立

2. 新しい時代に 向けての準備

成長戦略の中期的 本格展開 2012年度

KDDi グループの次なる成長に向けたスタートの年

2010年度 2011年度(計画)億円

営業収益 34,345 34,600

営業利益 4,719 4,750

フリー・キャッシュ・フロー 2,768 3,300

設備投資 4,437 4,600

Q&a

マネジメントインタビュー 復活と飛躍に向けたロードマップ

(3)

2011 年度の方針 基盤事業の立て直し 

Q&a

しました。また、比較劣位を早期に 回するためには、これ までにないサービスで「KDDIは変わった」というイメージを 強く印象づける必要があります。「禁断のアプリ」として採用

した。「+WiMAX」や他に先駆けたテザリングの解禁など は、当社ならではのサービスと言えるでしょう。

Q3 移動通信事業で掲げた「 au のモメンタム

回復」に向けた方針を聞かせてください。

4 つの KPi の改善に向けて、総合的な商品力と販売

力を両輪で強化していきます。」

 「auのモメンタム回復」を目指す上では、売上高や利益の 目標よりも、営業をはじめとする全社員にとって分かりやす い指標が必要です。「解約率」「MNP」「純増シェア」「データ ARPU」の4つの指標を重点KPIと定めたのはそのためです。  そのうち最も重視していく指標は、「解約率」です。限られ た契約数の中で、新規のお客様よりも、むしろ他社からの獲

得競争が繰り広げられている現在の市場では、当社のお客 様をいかに守るかが重要だからです。次に通信事業者の競 争力や実力を表すバロメーターである「MNP」、そして通信 モジュールなどの新しい市場を含む「純増シェア」の改善の 順でプライオリティをつけながら、注視していきます。そして 今後の成長をドライブする「データARPU」の向上を図りま す。これら4つのKPIの改善を達成すれば、売上高や利益と いった成果もついてくると考えています。

 これらのKPI改善のカギとなるのが、スマートフォンへのシ フトだと考えています。マーケットの主役に躍り出たスマー トフォンの拡販と利用層の拡大は、マーケットにおけるプレ

移動通信事業:auのモメンタム回復

スマートフォンへのシフト

ラインナップの拡充

サービス・アプリケーションの強化

販売力の強化

データオフロードの推進

800Mhz

帯周波数再編の着実な対応 11.3 12.3

109

400

9%

(33%)

0 (予)

200 300 400 500

100

スマートフォン販売台数

(万台)

解約率

純増シェア

MNP

データarPu

4 つの KPi 改善

※( )は端末販売台数に占めるスマートフォン 販売の割合。

(4)

ゼンス向上に繋がるばかりではなく、データARPUの向上に 直結します。2011年度のスマートフォン販売台数は、前年 度比約4倍の400万台を目指し、拡販を実施していきます。 これは全端末販売台数の約3分の1に相当します。また、計 画の達成に向けて、端末、サービス・アプリケーション、ネッ トワークのすべてを含む総合的な「商品力」を高めていくの はもちろんです。商品力と販売力を両輪で徹底的に強化し ていきます。

Q4 具体的な端末ラインナップ戦略を聞か

せてください。

「スマートフォンの利用者層拡大に向けた多種多様

なラインナップの拡充を進めていきます。」

 今後の端末ラインナップ戦略においては、スマートフォンへ のシフトを明確にし、ラインナップの拡充を進めていく方針で す。ただし、漫然とラインナップを増やしていくのではなく、

「auらしさ」、すなわちユーザーに「ワクワク感」を与えるよう なラインナップを えていきたいと考えています。例えば現在 販売されているスマートフォンの形状はほぼ同じですが、デザ インで差別化を図る余地はあります。また、UI(ユーザー インターフェイス)などでもユニークなものを出せると考えて います。夏モデルの「INFOBAR A01」は好例です。

 具体的には、スマートフォンの利用者層拡大に向けて、 3つのモデルでスマートフォンラインナップの強化を図って いきます。

 まず第一に、日本の定番機能を搭載したモデルです。キャ リアメールや、おサイフケータイ、ワンセグなど、フィーチャー フォンで人々の生活に浸透した機能の搭載は、スマート フォンユーザーの裾野拡大に欠かせないと考えています。 UIなど使いやすさに気を配りながら、ラインナップの拡充を 進めていきます。

 次に、ハイエンドユーザー向けのグローバルモデルの導入 も積極的に進めていきます。こういったモデルでも日本定番 機能の搭載を通じて独自性を打ち出していきたいと考えて います。

 また、当社が2011年4月に発売した「HTC EVO WiMAX ISW11HT」は、下り最速40Mbpsの「WiMAX」が利用可能 となる「+WiMAX」に対応しています。他社との差別化を図 るための戦略商品として、このような「+WiMAX」対応モデ ルの充実も図っていきます。

Q&a

マネジメントインタビュー 復活と飛躍に向けたロードマップ

(5)

「販売の中心である ショップと量販店を両輪で強

化していきます。」

 市場全体の契約数の伸びが鈍化し、リテンションが中心で あったフィーチャーフォンの時代は、お客様満足度向上を図 るために、auショップに軸足を置いたこれまでのマーケ ティングに合理性がありました。しかし、市場が急速に拡大 しているスマートフォンの時代においては、他社製品と比較し て購入したいという動機が働き、お客様は品 えが豊富な 量販店へ足が向きます。従って、これまで以上に量販店に対 して、売り場の増強や販売スタッフの増員などを通じた販売 力の強化を行っていきます。一方、auショップはより一層の リテンション強化に向けて、店舗リニューアルによる集客力向 上やICTを活用した対応力の向上を図ります。このように、

「攻め」と「守り」を販売の両輪として強化していきます。また、 お客様のスマートフォン購入時のご負担を軽減する「毎月割」 を活用しながら、販売コストの平準化も図っていく方針です。

「ネットワークコストの削減と、お客様満足度の向上

を同時に実現できる、複数のネットワークを有する

KDDi ならではのサービスです。」

 スマートフォンとフィーチャーフォンとの比較では、トラ フィックは約10倍にも膨れ上がります。今後、端末の性能や スマートフォンの比率がさらに上昇すると、モバイルネット ワークだけで吸収することは不可能です。料金を10倍にし たり、基地局を10倍にすることはできませんので、唯一の答 えは、ビット単価の安い固定ネットワークにトラフィックを流 す(オフロードする)ということです。3Gからビット単価が低 廉なネットワークにトラフィックが流れるわけですから、トー タルではネットワークコストの低減が実現できます。「+ WiMAX」をご契約いただいたお客様のデータトラフィックの うち、かなりの部分はWiMAXにオフロードされると見込ん でおり、525円という低廉な月額使用料でもネットワーク全

販売チャネルの強化

「毎月割」の活用によるスマートフォンの拡販

au

販売一時コストの低減 メリット

お客様 購入価格の低減

販売チャネルの強化

=販売の中心である両輪を強化 auショップ 販売スタッフ増員、スキル強化

店舗リニューアルによる集客力向上

• auショップ発の能動的なリテンション

auマイプレミアショップメール)

• ICTを活用した対応力向上 など 

量販店 売り場の増強

販売スタッフの増員

(6)

体で見れば十分に採算が取れ、高速ネットワーク通信をご利 用いただくことでお客様の満足度向上も期待できます。ス マートフォンでデータ定額制をご利用のお客様に無料で提供 する「au Wi-Fi SPOT」も同様の考え方に基づいています。ま た、WiMAXをWi-Fiスポットのバックホールとして活用するこ とで、Wi-Fiスポット設置期間の短縮化と、設備投資額の抑 制が図れるとともに、3Gからモバイルデータトラフィックをオ フロードさせることによりトータルのネットワークコストの削 減を図ります。

Q7 固定通信事業の増収に向けた戦略と、

コスト削減の取り組みについて聞かせ

てください。

Ftth の顧客基盤拡大と法人向けソリューション

の強化により KDDi 単体収益の拡大を図ります。」

 当社は、固定通信事業の2010年度における黒字化という コミットメントについて、主にネットワークのスリム化を中心

としたコスト削減を通じて達成しましたが、今後はトップラ インの拡大も強力に推し進めていきます。

 ここ数年、JCNやCTCといったグループ子会社の売上高 は順調に拡大してきた一方、KDDI単体ベースではレガシー 系音声サービス収入の減少もあり減収基調を ってきまし た。連結ベースでの増収のためにはKDDI単体の売上高の 反転が不可欠です。FTTHの顧客基盤拡大と、クラウドサー ビスの提供に向けたネットワーク基盤の強化をはじめとす る法人向けソリューションの拡充を重点施策として、増収に 向けた立て直しを急ぎます。

 利益面では、ネットワークのスリム化を継続することでネッ トワークコストのさらなる削減を推進します。2010年度はコア ネットワークのスリム化などにより前年度対比で約195億円の コスト削減を実現しましたが、2011年度は、2010年度に実施 したレガシーサービス設備の減損処理などによる効果に加 え、スリム化の第2ステップとして、メトロアクセスネットワーク の設備効率化や運用保守の構造改革などを進めることで、前 年度対比で約140億円のコスト削減効果を見込んでいます。

固定通信事業:ネットワークのスリム化

Q&a

マネジメントインタビュー 復活と飛躍に向けたロードマップ

コアNWを中心とした整理・統合など

メトロアクセスNWの設備効率化 運用保守の構造改革など

③レガシーサービス設備の減損など 約70億円

→2011年度 特別損失419億円計上

* 一部、NWスリム化2による施策を含む。

2010年度 コスト削減効果

2011年度 コスト削減効果

195 億円

140 億円

CATV WiMAX 光ファイバーメタル Mobile3G ケーブル

コアNw

Nwスリム化の概要

アクセスNw メトロアクセス

Nw

固定通信事業の事業基盤強化の観点からネットワーク( Nw )コストの削減を実施

局舎

Nwスリム化1など

Nwスリム化2 約70億円

(7)

せてください。

「複数のネットワークを有する KDDi にとって絶好の

成長機会が到来しました。」

 KDDIを取り巻く環境は大きく変化しています。変化の発 端はスマートフォンです。タッチパネルの採用でUIは革命的 な進歩を遂げました。1GHzを超えるプロセッサや高精細な ディスプレイの搭載により、性能面でも飛躍的に向上しまし た。また性能を支えるネットワークも年々高速化が進んでい ます。これらが意味することは、スマートフォンやタブレット 型端末、PCなどのデバイスで、固定や移動といったネット ワークの違いを意識せずに、通信できる環境が整ったという ことです。「真のモバイルインターネット」時代の到来です。  こういった大きな環境変化は、KDDIが新たな成長を実 現していくための絶好の機会です。競争力の源泉は、当社な らではの「マルチネットワーク」です。

 KDDIは、固定通信ではFTTHやCATV、移動通信では3G やWiMAXを有しており、2012年12月にはLTEもサービス開 始を予定しています。これら複数のネットワークに、Wi-Fiを 有機的に組み合わせることで「マルチネットワーク」化し、ここ にスマートフォンやタブレット型端末、PC、自動車、家電など

は、「回線数×デバイス数」に拡大します。さらに、デバイス上 のアプリケーションやコンテンツの充実を図れば、「回線数× デバイス数×アプリケーション・コンテンツ」の数だけ、お客 様のご利用シーンを創り上げていくことができます。このよう なネットワークの違いを意識せずに、シームレスにサービスを ご提供していくことを目指すのが、「マルチネットワーク (Multi-network)」「マルチデバイス(Multi-device)」「マル チユース(Multi-use)」からなる「3M戦略」です。

 この戦略にはもうひとつ重要な側面があります。スマート フォンを中心とする真のモバイルインターネット時代の到来 により、急増するデータトラフィックをどのように収容してい くかという課題も浮上しています。しかしKDDIは、自社のマ ルチネットワーク上でデータトラフィックを効率的に収容 し、トータルネットワークコストの低減を図りながら、快適な

通信環境の提供を実現していくことが可能です。

 より中・長期的な視野で見てみますと、現在、我々は、「音 楽」「スポーツ」「書籍」といったエンタテインメントの分野を、 主に携帯電話サービス上で手がけていますが、「健康」「医 療」「行政」「教育」「エネルギー」「自動車」などの生活インフ ラにICT(情報通信技術)を組み合わせることによって、我々 の事業領域をさらに広げていくことができると考えています。

3M戦略」の狙い

3M

顧客基盤の拡大

マルチデバイス

急増するトラフィック

速い

より高速で快適な通信環境の提供と

シームレス リーズナブル

マルチネットワーク=競争力の源泉

マルチユース

多様なネット端末に対応する 新しいビジネスモデル構築

KDDIならではの オープンインターネット体験と

コンテンツアプリ

個人から世帯をベースとした売上の最大化へ

(8)

 「3M戦略」で描く新しい通信の世界、ICTを活かした将 来のより豊かな社会インフラを低コストかつ、高い品質で創 り上げていくことができるのは、「マルチネットワーク」を有 するKDDIだけだと考えています。今後は、「3M戦略」を土 台として、新たなビジネスモデルを創り上げていきます。

Q9 3M 戦略」で描く新たな収益モデルはど

のようなものですか?

「世帯をベースとした売上の最大化を図っていきます。」

 今後、当社が、データトラフィックを固定通信網にオフ ロードしていくということは、固定通信網と移動通信網がひ とつのネットワークになっていくということになります。 FTTHやCATVなどの固定通信網は、個人単位ではなく、世 帯単位での契約が一般的です。移動通信と固定通信を含 めた形で世帯丸ごとKDDIにしていただくことにより、ご家庭 でネットワークの違いを意識せずに快適な通信サービスを ご利用いただけるとともに、料金メリットもご提供できるよう なビジネスモデルに繋げていこうと考えています。

 また、マルチネットワークによる高速で快適な通信環境と ネットワークコストの低減を競争力の源泉として、顧客基盤 の拡大を積極的に進めていきます。具体的な目標値として、 2010年度末の当社サービスのご利用世帯数は約1,500万 強ですが、2015年度末には約25%の増加を目指します。 また、RGUは2010年度末で約4,000万ですが、これも

2015年 度 末には約30% の増加を目指していきま す。このように、「3M戦略」 では世帯数やRGUを重要 指標としながら、世帯ベー スでの売上の拡大を目指 していきます。

* RGU:Revenue Generating Units

Q10 3M 戦略」に向けて、 2011 年度は具体

的にはどのように取り組みを進めてい

きますか?

2012 年度の本格展開に向けて着実に布石を打って

いきます。」

 ネットワークレイヤーでは、3GやLTEをエリア基盤としつつ、 高トラフィック対応はWi-Fi、高速化ニーズにはWiMAXで対応 するなど「マルチネットワーク化」を推進し、高速化ニーズへの 対応とビット単価の低減に向けた基盤整備を進めていきます。 すでに2011年6月から公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」の提供を開始しており、2012年3月末には約10万ス ポットでご利用いただける予定です。

 デバイスレイヤーでは、フィーチャーフォンやスマートフォン に加え、タブレット端末、電子書籍端末などラインナップの拡 充を進めていき、タッチポイントの拡大を図っていきます。  コンテンツレイヤーでは、有力なコンテンツベンダーとの協 業を軸にオープンコンテンツの拡充を進めていきます。当社 のネットワークインフラならではの機能・リソースと有力な コンテンツを融合したビジネスモデルを構築すれば、双方に とってサービスの付加価値を高めていくことが可能になりま す。一方、「LISMO!」「au Smart Sports」といったキャリア 企画コンテンツについても、積極的にスマートフォンに展開し ていくほか、「コンテンツのクラウド化」や、クラウド型サービス に適した定額モデル・サブスクリプションモデルの導入を進 めていきます。

→ 詳しくはP.25-P.31 「特集:KDDIが打つ新たな時代への布石」をご参照ください。

Q11 「グローバル戦略」の概要を聞かせて

ください。

2015 年度には 2010 年度比で売上倍増を目指して

いきます。」

 日本では少子・高齢化が進み、内需が伸び悩む中でグ ローバル化が加速しています。このような社会環境の変化 のもと、KDDIが持続的に発展するためには、成長に限界

Q&a

マネジメントインタビュー 復活と飛躍に向けたロードマップ

0 2,000 4,000 6,000

2010年度末 2015年度末

(計画) RGU 30%UP

世帯数25%UP

サービス利用世帯数と rGuの将来計画

(万)

当社サービスご利用世帯数 当社RGU

(9)

やホールセール、 、ネットワークといった既存事業におい て、各事業の強化と事業間のシナジー創出により、より強固 なグローバルICT基盤を確立していきます。

 また、日本で培った我々のノウハウを活用し、海外でのコン シューマ事業にも積極的に取り組んでいきます。特に、今後大 きな成長が見込まれ、約20億人の市場を持つ新興国やアジア において、インターネットISP事業やWiMAX事業、コンテンツ 事業などを展開し、グローバル事業の拡大を図っていきます。  例えば、2009年に出資したバングラデシュ最大手のISP 事業者「bracNet」を通じて、固定WiMAXによるインター ネット事業を展開しています。バングラデシュは人口が1億 5千万人と言われていますが、インターネットの普及率がわ ずか2%程度に過ぎません。こういった、インターネットの普 及率が30%未満の国は世界にはまだ130ヵ国もあります。 このような国の成長に合わせて、我々の事業もさらに伸ばす ことができると考えています。

 これらの取り組みを通じて、2010年度実績で約1,600億円 の売上を、2015年度で倍増以上に拡大し、グローバル事業 をKDDIグループの事業のひとつの柱に育てていきます。

「まずは設備投資、顧客基盤の拡大などの事業成長

のためにキャッシュ・フローを活用します。」

 営業キャッシュ・フローについては、毎期安定的に7,000 億円規模で推移しており、2011年度のフリー・キャッシュ・ フローは、3,300億円のプラスを見込んでいます。

 設備投資額については、2009年度にピークアウトしてお り、2011年度は前期比3.7%増の4,600億円を計画してい ます。中長期ベースでの設備投資の見通しとしては、マルチ ネットワーク戦略の推進により、2010年度の設備投資水準

(4,437億円)と同程度を見込んでいます。また、今後のLTE 関連の設備投資予定についても、マルチネットワークを活か した効率的な設備投資により、投資額は2014年度までの 5年間の合計で5,150億円という従来の計画に対して、基地 局投資ベースで約3,000億円レベルまで抑制する計画です。 M&Aについては、将来のさらなる成長に向けて、今後必要 な案件を実行していく方針です。

 株主還元については、配当を中心に考えており、2010年 度の年間配当金は、中間配当6,500円、期末配当7,500円、

通期で前期比1,000円増配の 14,000円となりました。  2011年度は中間配当、期 末配当ともに7,500円、年間配 当金15,000円を予定しており ます。連結配当性向は、25% から30%を視野に、着実に引 き上げていく方針です。  なお、自己株式の取得につい ては、2010年度は約1,000億 円の自己株式取得を実施しま したが、今後はキャッシュ・フ ローの状況などを考慮しなが ら、株主還元策の選択肢のひと グローバル戦略

既存事業のシナジー 新規事業

グローバル ict 基盤の確立 新興国/アジアへの展開

価格競争力強化

高付加価値化

海外顧客基盤の強化

• 20億人の市場へリーチ

グローバルでもコンシューマビジネス

∼インターネット/国際送金/コンテンツ

グローバル事業を KDDi グループの事業の柱へ

WiMAX 日本でのノウハウを活用 インターネットサービス

プロバイダ コンテンツ

シナジー強化 各事業の拡大

ホールセール データセンター

海外SI ネットワーク

参照

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